【スイラボ特集】70名超の大編成で生み出す「シンフォニックサウンド」 ― 湘南交響吹奏楽団グランドシップ広報担当・村山さんインタビュー
湘南エリアでも屈指の規模を誇り、大編成のシンフォニックサウンドを追求し続ける「湘南交響吹奏楽団グランドシップ(GS)」。
今回は広報担当の村山さんに、楽団の魅力、独自の取り組み、そして未来への展望についてお話を伺いました。
■ 楽団の自慢 ― 大編成と“どんな曲にも挑戦できる楽器編成”

GSの大きな魅力は、70名を超える団員数による圧倒的な大編成サウンド。
設立当初から「大編成のシンフォニックバンドをつくる」という明確な理念が受け継がれ、今では湘南エリアでも特に大きな市民吹奏楽団のひとつとなりました。
もうひとつの魅力は、所有楽器の豊富さです。
団所有の打楽器に、団員が個人で所有する楽器を加えることで、特殊楽器を除けばほとんどすべての楽器が揃います。
2025年にはチャイムを新規購入し、さらに木管低音はコントラファゴットやコントラバスクラリネットまで充実。
ハープを所有している団員も在籍しており、地域でも稀有なレベルの編成を確保しています。
「これほど多くの楽器が揃っているからこそ、どんな曲にも挑戦できる」
その環境こそ、GSの大きな強みです。
■ 楽団の特徴 ― 人数に縛られない活動、客演指揮者との学び、独自メソッド

GSは吹奏楽コンクールの規定人数にとらわれず、自由な発想で団員を募集しています。
その結果、毎週の合奏には50名以上が参加し、スコアに書かれたほぼすべての音が揃った状態で練習が行われます。
「音が揃っている」状態が、細かな表現や音色の研究、曲のブラッシュアップを可能にします。
また、2025年現在は常任指揮者を置かず、行事ごとに客演指揮者を迎える形式を採用。
さまざまな指揮者と音楽をつくることで、多角的な学びと新鮮な刺激に満ちた環境が生まれています。
さらに特筆すべきは、オリジナルの基礎合奏メソッドの存在。
海外で音楽教育に携わっていた団員が、GSの課題に合わせて教則本を作成しました。
その教則本は、全団員に冊子として配布されています。
運営はパートリーダーを中心にしたボトムアップ制で、月例オンライン会議や選曲会にも誰でも参加可能。
「全員で作る楽団」という文化も、GSの大きな魅力です。
■ 現在の課題 ― 認知度と集客の壁をどう突破するか
大人数ならではの迫力ある演奏を届けられる一方で、地域での認知度向上と演奏会の集客が長年の課題になっています。
湘南エリアや横浜・川崎は市民楽団が非常に多く、演奏会も毎週多数開催される激戦区。
その中で「どうすればGSを選んで足を運んでもらえるか」が大きな悩みとなっています。
SNS運用の工夫、駅でのチラシ掲示、リピーターへのアプローチなど、多面的な試みを重ねながら、着実に広報の力を高めている段階とのことです。
■ 地域展開 ― 吹奏楽部との合同出演や学生無料招待で広がる地域の音楽文化

GSが大切にしているのは、地域の吹奏楽文化を未来へつないでいくことです。
湘南吹奏楽連盟が主催する「湘南吹奏楽の集い」では、地元の中学・高校吹奏楽部と合同でステージに立ち、世代を越えた音楽交流を続けています。
湘南エリアには、大学進学後も地元に住み続ける若者が多く、
「卒業後も吹奏楽を続けられる場所がある」
というメッセージを発信し続けることもGSの役割のひとつになっています。
また、定期演奏会では 小・中・高校生を無料招待。
吹奏楽のマスターピースを大編成で聴ける機会は貴重で、「このサウンドをきっかけに、吹奏楽をもっと好きになってほしい」という想いが込められています。
地域の子どもたちに音楽の楽しさと可能性を届けることで、GSは地域の音楽文化そのものを育て続けています。
■ 今後の展望 ― “扉を開き続ける楽団”へ

GSが今後も大切にしたいのは、「大人になっても吹奏楽を続けたい人にとって、常に開かれた楽団であること」。
そして、長年ホームとしてきた藤沢市民会館が休館となるため、今後5年間は藤沢以外での演奏会開催が中心に。
これを新たなチャンスと捉え、湘南エリア外にもGSの魅力を届けたいと考えているそうです。
「地域の外に出ることで、より多くの人に知ってもらえる機会にしたい」。
挑戦を前向きにとらえ、次のステージへ進むGSの姿勢が印象的です。


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