【スイラボ特集】がんばりすぎなくてOK。自由参加の吹奏楽団「楽団みやま」の魅力 ― 楽団みやま あっこさんインタビュー

「吹奏楽は好き。でも毎週の練習はしんどい…」

「久しぶりに楽器を吹きたいけど、ちゃんとした団に入るのはこわい…」
そんな人に知ってほしいのが、群馬県で活動している自由参加型の吹奏楽団「楽団みやまです。

今回は主催者のあっこさん(岩田さん)に、楽団の良いところや困っていること、これからのことを聞きました。


楽団みやまのいいところは?

楽団みやまの魅力を一言で言うと、
ガチすぎない。でも学べる」です。

みんなで楽しく合奏しながら、吹奏楽のコツも学べます。

指揮をしてくれる先生は、プロのフルート奏者。プロから教えてもらえるのはとても貴重です。
しかもその先生は、もともとあっこさんのフルートの先生だったそう。
そのつながりで、今は常任指揮者として来てくれています。

他の楽団とちがう?「自由参加」がポイント

楽団みやまは、

  • 月1回の開催
  • 来たいときに来てOK(自由参加)

というスタイルです。

「吹奏楽団って、毎週練習で休みにくい…」

そう思っている人も多いはず。でも楽団みやまは逆です。
無理なく続けられる吹奏楽を大事にしています。

サブ楽器もOK!初心者でも入りやすい

楽団みやまには、他の楽団に入りながら参加している人もいます。
たとえば、

  • 他の楽団だと「こう吹くと怒られる」ことがある
  • もっと自由に演奏してみたい
  • サブ楽器をやってみたい

そんな理由で来る人もいるそうです。

いつもトランペットの人が、ここではフルートに挑戦する。
「初心者だけど大丈夫かな…」という人も、ウェルカムな雰囲気です。
あっこさん自身も、フルートだけでなくドラムにもチャレンジしているそう。

うまくなくても、まず楽しもう。
そんな空気があるから、入りやすいんだと思います。


今の課題は「人数が安定しないこと」と「運営」

楽団みやまの悩みは、参加人数が毎回ちがうこと。
いつもは12〜13人くらい。でも少ないときは、5人くらいになることもあります。

人数が少ないと、

  • メロディの楽器がいない
  • 曲が成立しにくい
  • みんなが満足できるか不安

という問題が出てきます。
そんなときは、アンサンブルの曲に変える、初見大会(初めての曲をみんなで吹く)にするなど、工夫して楽しい時間を作っているそうです。

さらにすごいのが、メロディが足りないときに指揮者の先生が
「今日は指揮しないで、フルートで入るよ」
と、演奏で助けてくれることもあるそうです。


みんなで曲を完成させる感じが、すごく素敵です。


高校生以下無料!やさしさが居場所になる

楽団みやまの参加費は、

  • 通常回:2000円
  • ゲスト回:3000円
  • 高校生以下:無料

です。

学生に来てほしい気持ちは強いけれど、運営は簡単ではありません。
会場代や楽譜代、先生への謝礼など、お金がかかります。人数が少ないとその負担も大きくなります。

それでも「高校生以下無料」を続けているのは、音楽がただの趣味じゃなく、居場所になることがあるからだと思います。

印象的だったのは、ある中学生のお話です。
起立性障害などで、学校に行きづらい時期があったそうです。
朝起きるのがつらい日もある。教室の空気を考えるだけでしんどい日もある。

そんな中で、その子は言ったそうです。
「学校には行けないけど、みやまには行ける。だから頑張る。」

この言葉は、とても重いです。
学校に行けない自分を責めてしまう日があっても、
楽器を吹ける時間があると「今日の自分はゼロじゃない」と思える。
音を出すこと。合奏の輪に入ること。
同じ譜面を見て、同じところを目指すこと。
そこには「評価」よりも、居ていいがあります。

しかもその子はトロンボーン奏者で、楽器を買い直してまで参加を続けてくれたそうです。
それだけ「ここで吹きたい」と思える場所だったんだと思います。

吹奏楽は、上手い下手だけじゃありません。
音を出すことが、心の呼吸になることもあります。
誰かの「大丈夫」を守る場所になることもあります。

だからこそ、学生無料は料金の話だけじゃなくて、「ここに来ていいよ」というメッセージにもなっているんだと思います。
練習日が予定ではなく、希望になる。
そんな場所があるだけで、人は前を向けることがあります。


地域との関わり:親子向けイベントや保育園演奏も

楽団みやまは、地域に向けた活動もしています。
昨年度は、近くの大きな公園(子供の国)の野外ステージで、親子向けの演奏会を開きました。
さらに来年3月にも、同じ場所で演奏会を予定しているそうです。

あっこさんは保育園で働いていて、園の施設長から
「ぜひ演奏してほしい」
というお願いもあったとのこと。

3月は訪問演奏の予定もあり、楽団としても忙しくなりそうです。

生演奏って、子どもが一番よろこぶ

あっこさんが言っていた言葉がとても印象的でした。
「下手っぴでも演奏すると、子どもの目がキラキラするんです」

小さい子はホールのコンサートに行きづらいこともあります。でも、吹奏楽なら身近に届けられます。
0歳の子が近づいてくるくらいの距離で聴ける生演奏は、きっと心にも残る体験になります。


これからの目標|「ゲスト奏者」をもっと増やしたい

楽団みやまがこれからやりたいことは、

  • 運営費の改善
  • SNSでの周知を増やす
  • ゲスト奏者をもっと呼ぶ

こと。

今年はプロの奏者さんや作曲家の先生をゲストに迎えた回があり、すごく好評だったそうです。
そして実は、ゲスト回の方が参加者が増えて、赤字が減るというメリットもあるとのこと。
2ヶ月に1回や季節ごとに1回など、少しずつ増やせたらもっと安定していきそうです。


まとめ|続けられる吹奏楽があるって、すごい。

楽団みやまは、
「吹奏楽を続けたい」人のための場所です。
うまくなくてもいい。ブランクがあってもいい。サブ楽器でもいい。

楽器をケースから出して、音を出す。
それだけでもう価値があります。

安心して続けられる吹奏楽。
楽団みやまは、それを本気で作っている楽団でした。

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