【スイラボ特集】45年の歴史と、地域に響く音楽の力 ― 特定非営利活動法人 シティーウィンズ久留米市民吹奏楽団インタビュー
九州・久留米を拠点に長年市民に愛されてきた「特定非営利活動法人 シティーウィンズ久留米市民吹奏楽団」。
今回は、創立45周年を迎えた同団体にお話を伺い、楽団の魅力・特徴・地域活動・今後の展望を深掘りしました。
市民楽団としてどのように歩み続けてきたのか、その裏側にある温かな想いをご紹介します。
■ 創立45年。幅広い世代をつなぐ、市民のための吹奏楽団


シティーウィンズ久留米市民吹奏楽団は、今年創立45周年、法人化から25周年を迎えました。
特定の母体を持たない完全な市民吹奏楽団として長年活動を継続しています。
団員の年齢層は、なんと17歳から78歳。
高校生からシニアまで、世代を超えた幅広いメンバーが音楽を通じてつながり、温かなコミュニティを形成している点は、同団体の大きな魅力です。
■ 全国初の「NPO音楽演奏法人」。音楽で社会を豊かにする挑戦

シティーウィンズ久留米市民吹奏楽団は、2000年に全国で初めて認証された“音楽演奏を中心としたNPO法人”です。
演奏すること自体を目的とするのではなく、音楽という文化資源を地域へ還元し、社会をより豊かにすることを理念として掲げています。
「演奏するだけでなく、地域を良くする」──その覚悟
一般的に、市民吹奏楽団の多くは演奏活動を中心に据えています。
しかしシティーウィンズは、創立当初から「音楽で地域社会を豊かにする」という視点を大切にしてきました。
- 高齢者施設や病院への慰問演奏
- 学校への出張授業
- 子ども向けの基礎講習会
- 地域イベントでの演奏支援
これらの取り組みは、演奏する側の満足ではなく、「音楽が誰かの心を支え、日常を豊かにする」という価値観に基づいています。
NPO法人化は、こうした活動の社会的意義を正式に認めてもらう大きなステップでした。
「音楽を奏でる」だけでなく「音楽を社会に届ける仕組みをつくる」ことが、シティーウィンズの使命なのです。
● 市民とともに育つ吹奏楽団 —— 800名の仲間がいるという力

シティーウィンズが地域から愛され続ける理由のひとつが、応援組織「友の会・Winds Mate Club」の存在です。
会員数は現在約800名。これは中規模のホールを満席にできるほどの人数です。
会員の方々は演奏会への応援や活動資金の支援、地域活動の参加などを通じて、楽団の成長を共につくり上げています。
つまりシティーウィンズは、「演奏する人」と「聴く人」の関係を超え、地域全体で育てる吹奏楽団として存在しているのです。
このモデルは全国的にも珍しく、NPO法人としての信頼と、長い歴史の積み重ねがあってこそ成り立っている形といえます。
● 市民団体だからこそできる、持続可能な文化運営
公共ホールやプロ団体だけでは支えきれない地域の文化インフラとして機能している点も、シティーウィンズの大きな価値です。
学校教育のサポート、地域の文化イベントの下支え、子どもたちの音楽体験の場づくり、高齢者の生きがい支援など、行政だけでは補いきれない領域を、市民が主体となった吹奏楽団だからこそ柔軟に支えています。
音楽には、つながりを生み、場を和らげ、日常を彩る力があります。
その力を最大限に社会へ循環させるシティーウィンズの取り組みは、まさにNPO法人としての使命そのものです。
● “音楽を社会に届ける”という未来志向のモデル

シティーウィンズのNPO活動は、単に地域貢献をしているという表現では収まりません。
それは、全国の市民吹奏楽団が「どう地域と関わり、どう存続していくか」という問いに対するひとつの答えでもあります。
- 市民に応援される仕組み
- 社会に役立つ活動
- 教育・福祉・文化への貢献
- 自主運営による持続可能性
これらを兼ね備えることで、シティーウィンズは「吹奏楽団の新しいあり方」を提示しています。
演奏する人だけではなく、聴く人、支える人、地域のすべてが参加者となり、
音楽が循環する社会を実現しているのです。


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