「わざとじゃないんですーー!」トロンボーン あるある”スライドアタック”の実態 それ、吹奏楽あるあるです。第23話
トロンボーンは、スライドを前後に動かして音程を変える金管楽器です。その構造上、演奏中はスライドが大きく動く。大きく動く=隣に座っている人を巻き込む。吹奏楽部あるある界で「スライドアタック」と呼ばれるこの現象、トロンボーン奏者なら一度は経験があるはず。今回はその実態に迫ります。




トロンボーン あるある:スライドアタックはなぜ止められないのか
トロンボーンのスライドは、最大で約50cmほど伸びます。ポジション(音程)によっては、隣の奏者との距離をほぼゼロにするほど伸ばさなければなりません。しかも演奏中は譜面や指揮者を見ながら全力で吹いているため、スライドの「今どこにあるか」を視覚で確認する余裕がない。これが「スライドアタック」の根本原因です。
さらに厄介なのが、当たられた側も演奏中は声を上げられないこと。ぐいっと肩に触れても、指揮者の前でリアクションできず、ただ耐えるしかない。終演後に「さっきごめん」「知ってたよ」という静かな和解が繰り広げられる……これも吹奏楽部あるあるです。
スライドが「武器」になる瞬間
スライドの第6・第7ポジションになると、スライドの先端は体から遠く伸び切ります。このとき隣のチューバやユーフォニアム奏者の膝・肩・楽器ベルに接触するケースが多発します。特に被害を受けやすいのは、席が固定されている本番の配置。練習の並びと違うと「隣の人の位置感覚」がリセットされ、事故率が跳ね上がります。
- 第6・7ポジションでスライドが最大伸長→隣との距離がゼロに
- 本番の席替えで位置感覚がリセットされ事故率アップ
- 当たられた側も演奏中は声を上げられない
被害者はいつも同じ席の人
吹奏楽の並びは基本的に固定されているため、スライドアタックの被害者も自然と固定されます。「また私か」と苦笑いしながらも練習を続ける隣の奏者。そのうちに被害者は「来る」と予測してわずかに体を引くようになり、逆にトロンボーン奏者は「今日も大丈夫だった」と思い込む……という共依存が完成します。一般吹奏楽団でも、このベテランコンビはどのバンドにも存在するはずです。全国の吹奏楽団を見てみると、きっとどこかで同じドラマが起きています。
ベテランも謝り続ける、それがトロンボーン
経験年数に関係なく、スライドアタックは起きます。プロのオーケストラ奏者でさえ、隣奏者へ「今日はごめん」と声をかけるケースがあると言われるほど。これはミスではなく、トロンボーンという楽器の物理的な宿命。だからこそ吹奏楽部では「トロンボーン奏者は謝りながら育つ」という半ば公式の認識があるのかもしれません。






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