シンバルで焼肉する人は実在するのか?吹奏楽“ないない”を本気で考えた【スイラボ#1】

吹奏楽の世界には、語り尽くされた「あるある」がたくさんあります。リードが折れて絶望する、コンクール前になると指揮者の人格が変わる……。どれも深くうなずけますが、もう新鮮さはありません。そこでスイラボの記念すべき第1回が挑んだのは、その真逆。「ありそうで、絶対にいない」吹奏楽部員を考える“ないない”企画です。

「あるある」が共感の遊びなら、「ないない」は想像力の遊び。しかもこの回には、ひとつ大事なルールが用意されていました。まずは動画でどうぞ。

登場するのはこの3人。自己紹介から、さっそく雲行きがあやしくなります。

服部
服部
はい、スイラボ始まりました!記念すべき第1回です。
スナミート
スナミート
どうも、スナミートです。
金ちゃん
金ちゃん
サックスの金ちゃんです。
服部
服部
そして私が…世界の、ハ。
金ちゃん
金ちゃん
噛んだ(笑)
服部
服部
さて今日のテーマ。「あるある」はもう飽きたので、「ないない」を考えたい。
スナミート
スナミート
ないない?
服部
服部
ありそうで、絶対にいない吹奏楽部員を出し合う。で、最後に本当にネットで検索して、いるか確かめる。
金ちゃん
金ちゃん
いたら、どうなるんですか?
服部
服部
いたらドボン。一番“実在しそう”だった人が罰ゲーム。
スナミート
スナミート
ロマンあるなあ。

ルールはシンプルですが、これがなかなか奥深いのです。「宇宙で吹いている人」のような完全な空想は、そもそも“いない”ので面白くない。狙うべきは、ギリギリどこかに実在していそうな、絶妙なライン。あるあるよりむしろ、その人の吹奏楽観が問われます。では、3人の“ないない”を順に見ていきましょう。

①暴走族なのにフルート。早朝限定のレディース総長

トップバッターは金ちゃん。暴走族の総長といえば、特攻服に金属バットが定番です。その物騒なイメージを、いちばん優雅な楽器・フルートで上書きしてみせる、という発想でした。

金ちゃん
金ちゃん
レディース総長が、フルート吹きながら暴走してる。
服部
服部
早朝限定で?
金ちゃん
金ちゃん
早朝限定。しかも、フルートじゃないとダメ。
スナミート
スナミート
条件こまかい(笑)
服部
服部
川崎あたりに、いそうな気もするけどなあ…
動画のテロップ レディース総長がフルート
金ちゃんの第一案。動画にも堂々のテロップが出ます。

盛り上がったものの、実際に検索してみると、それらしき人物は見当たりませんでした。考えてみれば当然かもしれません。仮にこういう“濃い”人が本当にいたとしても、わざわざSNSや書籍で発信するタイプではないでしょう。記録に残らないから、いても“いないことになる”。「いそうでいない」という意味では、企画的にはきれいな成功例でした。

②シンバルで焼肉する人は…まさかの実在&腹痛

続いてはスナミート。打楽器奏者らしい(?)発想で飛び出したのが、「シンバルで焼肉」でした。たしかにシンバルは、金属製で大きくて、ほどよく丸い。鉄板の代わりになりそうな形ではあります。本人いわく「網を買うより安いし、何度も使える」とのことで、妙に説得力のある経済合理性まで添えてきました。

スナミート
スナミート
僕、肉が好きで。シンバルで、バーベキュー。
金ちゃん
金ちゃん
なんで(笑)
スナミート
スナミート
網より安いし、何度もできるなって本気で考えた。
服部
服部
有害そうだけど…海外にはいそうだなあ。
動画のテロップ シンバルでBBQ
スナミート渾身の提案「シンバルでBBQ」。やけに具体的。

さて、ここでこの企画のキモ、検索タイムです。「シンバル 焼肉」で本当に検索してみると——。

検索中の3人
運命の検索タイム。3人が画面を見つめます。
服部
服部
検索したら…2015年に「シンバルで焼肉した」人、本当にいた。
スナミート
スナミート
いるわ(笑)
金ちゃん
金ちゃん
10年前に実在してたんだ…
服部
服部
しかもその人、「焼肉したけど、今めっちゃお腹痛い」って書いてて。
スナミート
スナミート
完全に自業自得(笑)
金ちゃん
金ちゃん
シンバルが悪いのか、肉が悪いのか(笑)
検索結果 いた!
結果は「いた!」。しかも腹痛つき。ルール上、スナミートは初回から罰ゲーム確定です。

まさかの実在、おまけに腹痛の実体験つき。「いたらドボン」のルールどおり、スナミートは記念すべき第1回で、自ら罰ゲームを引き当てました。念のため真面目に補足すると、シンバルは数万円する立派な楽器です。熱や脂で変形・変色すれば音が変わってしまうので、焼肉には絶対に使わないであげてください。そしてお腹も壊します。

③双子で“タッチ”みたいな吹奏楽部

最後は服部さん。双子の兄弟がいて、弟が吹奏楽部の中心人物。ある日その弟が事故で亡くなり、残された兄が遺志を継いでコンクールを目指す——という、やけに具体的な設定が出てきました。

服部
服部
双子の兄弟がいて、弟が吹奏楽部のヒロイン的存在で。
金ちゃん
金ちゃん
ある日、弟が事故で…?
服部
服部
そう。兄が後を継いで、コンクールに連れていく。
スナミート
スナミート
それ、完全に『タッチ』では。

そう、あだち充さんの名作『タッチ』の吹奏楽版です。野球を吹奏楽に置き換えただけ、と言われればそれまでですが、「全国に1組くらいは、本当にいそう」という絶妙なライン。検索結果は決め手に欠け、ロマンだけが静かに残りました。

まとめ|“ないない”は、吹奏楽愛の裏返し

記念すべき第1回は、ゆるさ全開のスタートとなりました。けれど「いない人」を真剣に考えるほど、3人がこれまでどれだけ吹奏楽の現場を見てきたかが、にじみ出てくる。これがこの企画の、地味に面白いところです。

結論。シンバルで焼肉する人は、実在します(そしてお腹を壊します。みんなはやめようね)。スイラボはこんな調子で、どうでもいいことを全力で語っていく番組です。次回は「無人島に楽器を持っていくなら?」。よければ動画と一緒に、次回もどうぞ。