セルマーサックス100年史|伝説のModel 22から最新Signatureまで!
なっちゃんセルマーって名前、よく聞くけど…どんな歴史があるか知ってますか?
Model 22 から Signature までの主なモデル年表(Selmer Paris)
セルマー・パリ(Henri SELMER Paris)は、
100年以上にわたりサクソフォンの歴史そのものを形作ってきたメーカーです。
本記事では、1922年のModel 22から、最新のSignature・Axos Celesteまで、
セルマー・パリが生み出してきた主要サクソフォンモデルを、年代順・設計思想・シリアルナンバー付きで整理します。
1922 Model 22(Modèle 22)
セルマー初の本格的サクソフォン・ライン。1922年から1926年頃まで製造されました。
現行モデルと比べると、約100年前の設計であるため、持ち心地や操作性は大きく異なりますが、
その分、ヴィンテージとしての価値は非常に高く評価されています!
彫刻デザインは当時の時代背景を反映したクラシックな美しさがあり、オクターブキーやキー配置の細部には、
現在では見られない独特の工夫が随所に見られます。
シリアルナンバー
1922年:750 ~ 1926年:4450


1926 Modèle 26
Model 22の後継モデル。
1926年から1929年頃に製造され、ボア拡大(ラージボア)やキーワークの改良が行われました。
特にアルトサックスで高い人気を誇りました!
この時期からCテナーの人気は徐々に下がり、B♭テナーが主流になっていきます。
シリアルナンバー
1926年:4451 ~ 1928年:7850
※Cメロディーは少し後の4800番台から
1928〜1931 Modèle 28 / New Large Bore
1928年頃からは、モデル名刻印を行わない時期のシリーズ
彫刻入りのModèle 28はごく初期のみ存在し、後期で彫刻もシガーカッターもない個体は、
俗にNew Large Boreと呼ばれます。
この時期、アルトのみネック差込部内径が約25.1mm → 約25.5mmへ拡大され、
約2%のボア拡張が音に劇的な変化をもたらしました!
シリアルナンバー
Modèle 28:1927年 7300 ~ 1928年 8000
New Large Bore:1928年 7851 ~ 1931年 14000
1931〜1934 Cigar Cutter(Super Series 初期)
「SSS(Selmer Super Series)」を代表するモデル。
特徴的な葉巻カッターに似た、オクターブ機構から「シガーカッター」の愛称で知られています。
ベル側面にシリアルナンバーが刻印されているのも特徴です。
当時「最も大きな口径、最も豊かで深みのある音色」を謳ったモデルです。
シリアルナンバー
1931年 14001 ~ 1933年 17250
葉巻型オクターブキーが廃止され、現代に近いロッカー式機構へ移行します。
シリアルナンバー
1933年 17250 ~ 1934年 18700
Super Seriesは、
それまでの軽快でクラシック志向のセルマーから脱却し、
大胆でダイナミックなアメリカンサウンドに対応するためのシリーズでした!
1934〜1935 Radio Improved(Super Series 後期)
短命ながら重要なモデル。
ラジオ収録やスタジオ録音向けに設計されたと言われています。
ベルには明確に
「Radio Improved」と刻印され、キーワークにも若干の違いがあります。
シリアルナンバー
1934年 18701 ~ 1935年 20100
1936 Balanced Action
現代サクソフォンの原型とされる画期的モデル。
人間工学と機械効率を根本から見直し、操作性・信頼性の両面で新しい基準を確立しました。
クラシック奏者とジャズ奏者、両方の実用的課題を解決したモデルです!
シリアルナンバー
1935年 20101 ~ 1948年 35800
1948 Super Action(Super Balanced Action / SBA)
Balanced Actionの改良型。
下段スタックのトーンホールが右にオフセットされ、現代的な持ち心地に近づきました。
当初は「Super Action」と呼ばれていましたが、
後のSA80と区別するため、Super Balanced Action(SBA)と呼ばれています。
シリアルナンバー
1946年 33000 ~ 1954年 55200
1954〜1974 Mark VI
説明不要の名器!セルマー史上、最も評価されているモデルです。
初期はダーク、後期はブライトな音色傾向を持ち、
アルト・テナーを中心に、今なおプロヴィンテージの代名詞とされています。
シリアルナンバー
1954年 55201 ~ 1975年 233900


1974〜1980 Mark VII
Mark VIの後継モデル。
よりパワーを重視した設計で、パーツも大型化されています。
ロック・フュージョン系で根強い人気を誇ります!
シリアルナンバー
1975年 233901 ~ 1980年 303100
1981 Super Action 80(SA80 / Series I)
Mark VIIの次世代モデル。Mark VI寄りの設計思想に回帰。
全サイズ(ソプラニーノからバスまで)が同一シリーズに統一された最初のモデルです!
シリアルナンバー
1980年 303101 ~ 1986年 378800
1986〜現在 Super Action 80 Série II(シリーズ2)
現在も続くセルマーの大定番モデル!
落ち着いたダーク寄りの音色が特徴です。
シリアルナンバー
1986年 378801 ~ 現在(約832000〜)


1995〜2021 Série III(シリーズ3)
精密でタイトなキャラクターのシリーズ。
ソプラノからスタートし、後にアルト・テナーへ展開。
最初の数年間、ソプラノサックスには「スーパーアクション80シリーズIII」の刻印がありましたが、
1995年に最初の刻印が削除され、それ以降は「シリーズIII」のみの刻印になりました。
アルトは2021年に生産終了しています。
2000〜2022 Reference 36 / 54
Balanced Action(36)とMark VI(54)を現代仕様で再解釈したシリーズ!
アルトは、54のみ。テナーは、36と54。
現在は両モデルとも生産終了しています。


2010 Super Action 80 Série II(シリーズ2)Jubilee(ジュビリー)
外観の彫刻やネックのオクターブキー形状の変更などが加えられた仕様にマイナーチェンジされました!
これら以外に構造的・音響的な変更は一切なく、キー配置や音色などは従来モデルと同一です。
2015 Axos(アクソス)
価格と実用性を重視したセルマー設計のモデル!
アルト・テナーのみ展開されています。
2021 Supreme(シュプレーム)
100年の集大成として発表されたセルマーの新フラッグシップモデルです!!
「新しい基準点」としてゼロから設計され、完璧なチューニング、無限の音色、そして優れたレスポンスが特徴。
伝統と現代性を融合させた楽器です!


2023〜 Signature(シグネチャー)
Super Action 80 Série II のコンセプトを引き継ぎつつ、Supreme の最新技術を取り入れた新モデル!
アルト、テナーでの展開があります。
Série II のサウンドはそのままに、
特に高音域のイントネーション、低音域における息の入りやすさ向上しています。


2025〜 Axos Celeste(アクソス セレスト)
Axosの新バリエーション!
演奏性とデザイン性を両立した最新モデルです。
セルマー シリアルナンバー早見表
お手元のセルマーの製造年代を知りたいときは、楽器本体に刻印されたシリアルナンバーをこの表と照合してください。年代とシリアルは本記事の各モデル解説のデータをまとめたものです。
| モデル | 製造年代 | シリアルナンバー |
|---|---|---|
| Model 22 | 1922〜1926 | 750 〜 4450 |
| Modèle 26 | 1926〜1928 | 4451 〜 7850 |
| Modèle 28 / New Large Bore | 1927〜1931 | 7300 〜 14000 |
| Cigar Cutter(Super Series) | 1931〜1934 | 14001 〜 18700 |
| Radio Improved | 1934〜1935 | 18701 〜 20100 |
| Balanced Action | 1935〜1948 | 20101 〜 35800 |
| Super Balanced Action(SBA) | 1946〜1954 | 33000 〜 55200 |
| Mark VI | 1954〜1975 | 55201 〜 233900 |
| Mark VII | 1975〜1980 | 233901 〜 303100 |
| Super Action 80(Series I) | 1980〜1986 | 303101 〜 378800 |
| Super Action 80 Série II | 1986〜現在 | 378801 〜(約832000〜) |
セルマーサックスのよくある質問
シリーズ2は生産終了ですか?
いいえ、スーパーアクション80シリーズ2は2026年6月時点でも現行モデルで、日本の公式ラインナップにも掲載されています。生産終了したのはシリーズ3のアルト(2021年)とリファレンス36/54です。なお、シュプレーム登場以降は海外でラインナップの整理が進んでいるため、新品の購入を検討している方は販売店に在庫状況を確認すると確実です。
アクソスとシリーズ2は何が違うのですか?
位置づけが違います。アクソス(2015年〜)は価格と実用性を重視して設計された、セルマーの中では手に取りやすいモデルです。シリーズ2(1986年〜)は40年近く続く大定番で、落ち着いたダーク寄りの音色が特徴のプロ標準機です。初めてのセルマーとして予算を抑えたいならアクソス、長く使う定番が欲しいならシリーズ2という選び方が目安になります。
自分のセルマーが何年製か調べるには?
楽器本体に刻印されたシリアルナンバーを、上の早見表と照合してください。モデルによって刻印位置は異なり、たとえばシガーカッターはベル側面に刻印されています。年代がわかると、買取査定や中古購入のときの判断材料にもなります。
セルマーサックス100年の歩み
セルマー・パリのサクソフォンは、
1922年のModel 22から現在まで、100年以上にわたって進化を続けてきました。
その長い歴史の中でセルマーが大切にしてきたのは、
「もっと吹きやすく」「もっと楽しく音楽ができること」。
時代ごとに形や音は変わっても、この想いはずっと変わっていません。
ヴィンテージの味わい深さも、現行モデルの安心感も、どちらもセルマーらしい魅力です!
どのモデルを手にしても、そこには音楽を楽しむための工夫と物語が詰まっています。
セルマーのサクソフォンは、過去の名演を支えてきただけでなく、
これから生まれる音楽のそばにもあり続ける楽器です!
あなたの音と一緒に、また新しい歴史が始まっていく――
そんなワクワクを感じさせてくれるのが、
セルマーサックスの魅力かもしれません。
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